オリオン座 三ツ星 消える

19世紀頃、世界では産業革命以降の世界経済の発展とともに、それを支える重要な運搬手段として航路が主に利用されていました。当時その航路を正確に把握するために天文学の調査が進みました。どういうことかというと、星の観測をして、ある時期にどの方角に何が見えるのか、明るさはどうなのか、などといったことを調査し、そのデータをもとに正確な位置関係を調べ、航路に役立てていたのです。その時代の世界経済の先進国イギリスは、アフリカ南端の喜望峰に天文台を作りました。その天文台で約4年間に渡り、天文学の調査研究を行ったのがジョン・ハーシェルという天文学者でした。お気付きの方はおられるかもしれませんが、惑星の天王星を発見したウィリアム・ハーシェルの息子さんです。さてジョン・ハーシェルは、その調査の中で天文学的にいくつかの重要な発見をすることになるのですが、ベテルギウスについての重要な発見もありました。それは、ベテルギウスの光の明るさが時として変わっている、ということでした。このことが世界中の天文学者の議論を呼び、なぜ明るさが変わるのか、という理由を解明するために、ベテルギウスは一気に知名度をあげたのでした。ちなみに、光の明るさが変わる星のことを一般的に“変光星”(へんこうせい)と呼びます。恒星は、人間などの生き物と同じように、生まれてから死ぬまでの一生があります。星のはじまりは、まず宇宙空間にあるガスや塵が重力の影響で集まります。それが真ん中に集まるに連れ、その温度が上昇していきます。温度が1,000万度になると光が輝き始めます。これが星の誕生と呼ばれます。つまり赤ちゃんが生まれた、という感じです。その後光は安定して輝き続けます。太陽は今この安定的な状態にあります。そして、晩年になると、その大きさは膨らみ、ガスを宇宙空間に放出し始めます。重力の影響は徐々に小さくなり、加速的に膨張するのです。さて、ベテルギウスの脈動がなぜ起こるのかということですが、膨張すると周りの空間に冷やされて縮みます。そして、縮むとまた熱くなり膨らむ…という動きを繰り返し、脈動とともに温度変化も繰り返しているのです。さて、前項の解説の続きです。ベテルギウスは脈動を繰り返し、その温度の変化も繰り返す、というところまで導き出しました。恒星の色について触れますと、一般的に恒星の色は、恒星の表面温度とも深く関わっています。表面温度が高いほど青白く、逆に低いと赤く見えます。ベテルギウスの表面温度は3,800度ほどですが、太陽は6,000度と高温です。また、温度が低いということは恒星の燃焼のエネルギー量も減っているということになります。つまり、ベテルギウスは今、エネルギー量が減りつつあり、脈動して大きさを変え、温度変化とともにその色の変化を繰り返す変光星である、ということが言えるのです。(アメリカの物理学者 アルバート・マイケルソン wikipedia)この頃になると、以前よりも観測技術が向上し、ベテルギウスについて様々なことが明確になってきました。この時になってようやく現在私たちが知りうるベテルギウスのプロフィールがほぼ埋められた、といった感じになります。直径は最大で約14億キロで、前述しましたが太陽の直系のおよそ1,000倍にもなることがここで明らかになりました。さらに驚くべきことに、その大きさが1億キロ以上も“変化している”という事実がわかりました。なんと、ベテルギウスは“脈動していた”のです。なぜ脈動していたか、というと“晩年だから脈動していた”のです。脈動をして大きさが変わる…だから変光星だった、という訳なのです。今“脈動したから変光星だった”ということを書きました。が、これでは少し結論を先急ぎしすぎたのかもしれません。このことをより理解するために、まずは恒星の一生を紐解いていくことにします。研究者たちは、ベテルギウスの爆発が起こった場合どのような状況になるのかを推測しています。ベテルギウスが爆発すると、地球からの目視でもわかるほどに色が赤から青に変わります。つまり温度が急上昇するのです。そして、満月の約100倍くらいの明るい光を放ち、日中でもそれを目視で確認することができるということです。そしてその状態は3ヶ月ほど続き、4ヶ月くらい経つと色が次第に変化してきます。青色からオレンジ色に、さらに赤くなり、温度が下がり始め、最後には暗くなり、それから4年後にもなると、我々の肉眼では確認できない状態になります。それからさらに数100年後には、ガス状星雲として望遠鏡で確認できるようになる、ということです。ベテルギウスは99.9%その一生を終えています。ここではその発見の歴史から科学の進歩による大発見など、ベテルギウスについて迫って書いてきました。では、いつベテルギウスは爆発するのでしょうか?それは今日かもしれませんし、明日かもしれません。もしかしたら100年後かもしれないですし300年後かもしれません。天文学でいう「今」は、そのスケールの大きさは私たちが想像する「今」とは大きくかけ離れています。例えば地球の空を見上げると多くの星空が広がっていますが、それは宇宙のはるか彼方の何百光年、何千光年先の光の姿を見ているのです。ただ、はっきりと言えることは、ベテルギウスは本当にその一生を終える“頃”であるという事実です。多くの天文学者たちはこの数十年の間に現実にその大爆発をこの目で見てから一生を終えたいな…という気持ちでいっぱいだと思いますし、筆者も例外ではありません。みなさんにとってメジャーな冬の星座“オリオン座”からベテルギウスが姿を消す日はもう間近です。見納めのベテルギウス、見納めのオリオン座…。今夜以降、みなさんが夜空にオリオン座を見つけたら、その思いがこれまでとは少し違って見えるかもしれません。それは、もうすぐそこ、なのです。21世紀になると、天文学分野は飛躍的に発展します。2006年2月、日本から赤外線天文衛星の「あかり」が打ち上げられました。「あかり」は、ベテルギウスがその直径をはるかに超えるほど周りのエリアに大量のガスや塵を放出している様子を観測しました。しかし、そのガスがベテルギウスからどのように放出されているのか、というところまで精密に観測することはできませんでした。2009年、ベテルギウス研究の第一人者としてドイツの研究所で調査観測を続けている日本人の大仲圭一博士は、南米チリのパラナル天文台にて、ベテルギウスに“コブのような形をしたガスの塊”が、ランダムに動きながら存在していることを発見しました。前述のマイケルソンが発明した干渉計をさらにバージョンアップさせたVLT干渉計という望遠鏡を同時に3台合わせて観察した結果明らかになったということです。その“コブのような形をしたガスの塊”は何なのかと言いますと、それは巨大なベテルギウスでは、凄まじい勢いのガスの対流が発生しており、その勢いでできたものだということです。同じように対流をしている太陽の例を挙げますと、太陽の対流は、表面近くにだけでおこっているものです。対してベテルギウスは中心近くからの対流が起こっており、その速度も毎秒数10Kmという速さでダイナミックに起こっているということです。対流の勢いが、ベテルギウスを真ん丸の恒星ではなく、まるでコブがあるかのような形にしている、ということがわかってきました。そして、フランスのパリ天文台の天文学者、ペラン博士は、同じくパラナル天文台にて、一晩に100万枚以上ものベテルギウスの画像を撮影し、そのうちもっとも明るいイメージの画像だけを重ね合わせることにより、ベテルギウスがガスを放出している状態をこれまでよりもより鮮明に捉えることに成功しました。その様子は、同心円状にガスが噴き出すのではなく、特定の3方向にガスを放出していることがわかりました。このように高度な技術開発とともに、多くの天文学者が長年かかって色々な疑問や課題に向き合い、調査研究を続けて来た結果が、色々な方面から明らかになって来ているところです。21世紀は、その科学技術の進歩と研究者の努力により、天文学にとって飛躍の世紀とも言えると思います。誰もが一度は耳にしたことがあるオリオン座、この星座は大人から子供まで認知度ナンバーワンと言っても過言ではないほどメジャーな星座です。オリオン座は、ギリシャ一の力持ち、神の血を受け継ぐ青年オリオンが天に昇って星座になった姿を現しています。北半球では冬の夜空の代名詞とも言えるでしょう。さて、そのオリオン座には1等星が2つ輝いているのですが、青年オリオンの左肩に光る1等星が「ベテルギウス」という恒星です。今、このベテルギウスが消えてなくなるかもしれない?という天文学史上のビックイベントが起こる可能性が高いと言われています。ベテルギウスの寿命は今の時点で99.99%終わっていると言われているのです。天文学者や天文ファン、そして筆者も含め、そのXデーがいつなのか、今か今かと待ち構えているのです!(イギリスの天文学者、数学者 サー・ジョン・ハーシェ wikipedia)ベテルギウスは、その寿命のためにもうすぐ死を迎えます。その死は爆発だと言われています。なぜ爆発が起こるのかというと、猛烈な圧力に耐えきれなくなった恒星が一気に爆発する現象が起こるということです。これを超新星爆発と言い、太陽の約8倍以上の大きな恒星が一生を終える時の最期の状態だと言われています。(ちなみに太陽くらいの大きさの恒星は、超新星爆発をすることなく、惑星状星雲になると言われています)さて、ベテルギウスのような巨大な星の爆発の威力は凄まじすぎて想像し難いですね…。さて、爆発の原理を少し噛み砕いて説明します。恒星の光の源は水素がほとんどで、その水素がお互いに激しくぶつかり合ってヘリウムに変わる、つまり核融合を起こすのですが、その際に大きなエネルギーで光を放出します。普通に想像してわかることですが、燃料を使えばその燃料自体は減っていくものです。同じことが恒星でも起こります。水素が使い尽くされると、今度はヘリウム同士が核融合を起こし、さらに炭素、酸素と次々に新しい元素が生まれます。これによって中心部の温度が上がり、恒星は膨張して言って赤色巨星になる、ということです。核融合反応の最後は安定的な鉄で止まり、自らの重力を支えることができなくなって、その超高圧状態に耐えることができなくなって大爆発を起こす(ヘリウムにまで分解する)、ということです。少し化学の専門的な分野になりましたが、超新星爆発とはこう言った原理で起こるのです。超新星爆発は、大量のガスを放出するとともに、ガンマ線という放射線を出すことが知られています。ガンマ線は許容量を超えて浴びると人体や生命体に影響を及ぼすものとして知られています。その威力は、過去にオゾン層を破壊し、生命体の絶滅にも影響を及ぼしたのではないか、という研究成果もあるくらいです。超新星爆発によって放たれるガスや放射線などは、その恒星の自転軸から2°以内の範囲にいると危険の可能性があるということで、それについてもハッブル宇宙望遠鏡などを使った調査がなされました。すると、地球は、ベテルギウスの自転軸から20°外れたところに位置していたということです。かろうじて直撃の危険区域を逃れる、と言われています。ベテルギウスの爆発によって、今の天文学、宇宙物理学、量子力学、などなどの宇宙に関わる学問が飛躍的に進展するだろうと言われています。最近のニュースでいうと、日本の岐阜県に建設されたスーパーカミオカンデは、ベテルギウスの爆発によって飛んでくるであろうニュートリノを、確実にしかも正確に捉えようと、今まさにスタンバイしている状態です。2026年稼働予定のハイパーカミオカンデもベテルギウス爆発によるニュートリノを捉え、今までに発見されなかった新たな性質を発見するかもしれません。ベテルギウスの超新星爆発によって飛んできたニュートリノは、なぜ人類が存在するのか、という根本的な課題の物理的な答え出してくれるのかもしれないのです。私たちの身近なところでは、小学生以降の教科書の内容がガラッと変わることもありうるのです。ベテルギウスの超巨新星爆発は、天文学者だけでなく、世界中の人類を巻き込んだ地球の歴史に名を残すことになると言えるのです。ベテルギウスが変光星であることが確認されてから約80年後、1920年頃になると、ベテルギウスの研究はその直径を調べるところまで成果をあげました。ロサンゼルスの北東部にあるウィルソン山天文台にて、物理学者アルバート・マイケルソンは、大型望遠鏡の先端に“干渉計”(かんしょうけい)を設置しました。干渉計は、2枚の鏡を使って星の光を反射させ、それを重ね合わせて干渉縞(かんしょうじま)を作り、その見え方を観測するものです。その結果に地球からベテルギウスまでの距離、その角度を使って計算し、ベテルギウスの直径を調べました。しかし、残念ながら恒星の色が変化する理由について明確な答えを出すことはできませんでした。ちなみにマイケルソンはこの干渉計の発明によってノーベル物理学賞を受賞しています。経歴:早稲田大学卒業後、国内外のシステム会社を経て現在フリーでウェブシステム開発をしています。一方で趣味が高じて宇宙分野についてのコラムも執筆中。趣味:トイレに貼った宇宙分野の新聞の切り抜きを日々眺めること。そして空手でストレス発散。(星座書ウラノメトリアにおけるオリオン座 wikipedia)

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