火のないところに 立た ぬ

1,760円発売日:2018/06/222019年本屋大賞にノミネート!「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件を小説にすることで解決を目論むが――。驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!「 ゲラから手が離れたところを見計らって、という文面に、さすが依頼のタイミングが絶妙だなと感嘆しながらも、残念ながら今回は断るべきかもしれないと考えた。スケジュールが詰まっていたこともあるが、特集テーマが「怪談」だとあったからだ。 私は怪談やホラー小説を読むのは大好きではあるものの、自分で書いたことはない。読者を怖がらせるということはとても難しく、技術がいることだと感じていたし──何より 気づけば私は、今はほとんど本置き場と化している洋室を振り向いていた。 その奥のクローゼット──なぜか仕切りが細かく作りつけられてしまっているために洋服は収納しづらい──にしまい込んだままの一枚のポスター。それはある広告代理店の社用封筒に折り畳んで入れてあり、封筒の口は仰々しい御札で閉じられている。 引っ越しや大掃除のたびに処分を検討しながら、毎回とりあえず保留してきてしまったのは、完全に自分の目の届かない場所へ遠ざけてしまおうとすることに後ろめたさを感じていたからだ。手放そうとするたびに、忘れるつもりなのか、と手が止まった。全部なかったことにして、そのまま何食わぬ顔で生きていくつもりなのか── 私はうつむきながら首を前に戻した。マウスをつかんだままの手が視界に入る。 ホイールをほんの少し動かすと、パソコンの画面が大きくスクロールした。〈怪談特集企画書〉という添付ファイルが現れ、内臓が微かに縮こまる。やっぱり無理だ、とほとんど反射的に思った。 私には、この話を冷静に物語の形にして綴ることなどできない。 企画書を開いたのは、辞退する理由を探すためだった。スケジュール的に厳しいというのが一番角が立たないだろうかと考えながらワードが立ち上がるのを待ち、そこで私は動きを止めた。 〈今年は新潮社の位置する神楽坂を舞台にした作品を集めた「神楽坂怪談」特集を予定しております〉 マウスをつかんだ指先が強張った。口の中が急速に渇いていく。 脳裏に浮かんでいた出来事というのは、まさに神楽坂で起こったことだった。 偶然だ、と思おうとする。企画書にもある通り、神楽坂は新潮社がある土地なのだし、風情のある小道が多いから怪談の舞台としてふさわしいのだろうと考えようとする。けれど考えるそばから、そもそもどうして私に話が来たのだろう、という思いも浮かんできてしまう。私はこれまで怪談を書いたことはないし、書きたいと口にしたこともない。なのに、なぜ、私にこんな依頼が来たのか。 忘れようだなんて許さない、と言われているような気がした。 ずっと、心のどこかで引きずり続けていながら、それでもきちんと向き合わずにきてしまった出来事。なぜ、あんなことになってしまったのかわからないままだというのに、原因を追及しようとせずにいたのは──そうすることで、自分にできたはずのこと、自分がするべきだったことを知ってしまうかもしれないからだ。 あのとき私がああしていれば、と後悔することになるのが怖かった。だから、あのことについて整理して考えることもなく、人に語ることもしてこなかったのだ。 私は、宙を見つめたまま席を立った。洋室へ向かい、そっとクローゼットの扉を開ける。 書類が詰め込まれた箱の裏から封筒を取り出すと、封を開けるまでもなくまぶたの裏に浮かんだのは、小さな染みだった。 * 私が、大学時代の友人である 新卒三年目だった私は実用書や雑学本、ビジネス書の編集者として中野にある出版社で働いていた。 当時は今ほどSNSが盛んではなかったが、私は、少しでも多くの人の手に取ってもらえるようにという願いを込めて、毎月SNSで自分の担当した本の宣伝をしていた。 すると、ある日、SNS上でも繋がっていた早樹子から連絡が来たのだ。〈久しぶり。また面白そうな本を担当しているんだね。ところで、この そのとき宣伝していた本は、オカルト話や都市伝説をまとめた雑学本だった。著者の榊さんは普段、オカルト雑誌や怪奇現象を扱ったムックなどに寄稿しているオカルトライターだ。〈榊さん? どうだろう。たぶん詳しいとは思うけど〉 私は深く考えないままに返信してから、〈っていうか、お祓いって、どういうこと? 何かあったの?〉とさらに打ち込んで続けて送信した。数分も経たないうちに、早樹子から返信が来る。〈実はちょっと友達が困っていて……相談に乗ってもらえないかな?〉 まずは榊さんに連絡を取ってみようとしたものの、メールの返信はなく、電話も繋がらなかった。携帯やパソコンを持たずに遠方の取材に行ってしまったりする人なので珍しいことではないが、いつ連絡が取れるようになるのかは見当もつかない。早樹子にその旨を伝えると、それならとりあえず先に話だけでも聞いてもらえないかということで、早樹子、角田さん、私の三人で会うことになった。 ちょうど全員が東西線の沿線で働いていたので、互いの勤務先の間を取って飯田橋で会うことになった。どうせなら神楽坂の方がお店が選べていいのではないかと提案したのだが、早樹子ができれば神楽坂の方には近づきたくないからと言って、飯田橋東口にあるチェーンの居酒屋を指定してきたのだ。どうして近づきたくないのかと尋ねると、それが本題なのだと言う。私もそれ以上は尋ねるのをやめ、店選びは早樹子に任せることにした。 当日、店員に案内されて個室へ入ると、早樹子の隣には質のいいジャケット姿のすらりとした女性が座っていた。角田さんだろうか、と思うのと同時に、彼女はすばやく立ち上がって慣れた仕草で名刺を取り出す。「お忙しいところすみません。私、角田と申します」 同い年とは思えないほど、しっかりした人だった。渡された名刺には広告代理店の名前があり、私の名刺にある会社名を見た途端に「今朝の日経と読売に新聞広告を打っていらっしゃいましたよね」と口にする。「え、もしかしてご担当なんですか?」「いえ、直接の担当ではないんですが、ちょうど今朝拝見していたので」 そう言って如才なく微笑み、早樹子が「二人とも、そんなにかしこまらなくていいよー」と語尾を伸ばして言うと、ほんの少し照れくさそうに表情を崩した。 早樹子は角田さんと私を交互に示しながら、「こっちは高校の同級生、こっちは大学の同級生」と紹介する。角田さんと私は「こっちって」と揃って苦笑し、そのまま顔を見合わせてもう一度笑った。私は、この人とは気が合うなと直感する。突っ込みの強さやテンポが似ている。 私たちは本題に入る前に乾杯をし、しばらく雑談をした。共通の友人である早樹子とのエピソードや、仕事でどのくらい残業があるかといったことなどだ。お互い集まりやすい場所にいるのだから、これからも仕事帰りに飲んだりしようと盛り上がったりもし、私は何度か、そもそもどうして角田さんを紹介されたのだったか忘れかけた。普通に友達と飲みに来たようなノリで恋愛話に話題が移り、早樹子がいつものように大学時代から交際している恋人についての愚痴を披露する。そして、その流れで、角田さんは「今日の相談の話とも繋がるんだけど」と声のトーンを落として話し始めた。「私、ちょっと前まで結婚しようと思っていた人がいたんです」 結婚、という単語に反射的にはしゃいだ声を上げそうになったが、私はかろうじて思いとどまる。彼女の言い方が過去形だったし、何より表情が楽しい話ではないと告げていたからだ。 私は二人に断りを入れてから、メモ帳とボールペンを手に取った。「合コンで知り合った二歳上の銀行員だったんですけど、優しくて気も合って」 角田さんは、そこで一度言葉を止めてため息をつく。「つき合い始めて半年くらいの頃、結婚したいねって話が出たんです。今考えれば早かった気もするんですけど」「あ、でもわかる。むしろつき合い始めて半年くらいの方が結婚話とかも盛り上がるよね」 早樹子が言い、「これ、私が言うと説得力が違うでしょ」と自虐的に笑った。実際、早樹子の場合は「長すぎる春」という表現がぴったりで、同棲を始めて五年になる恋人との間で結婚話が進まないという愚痴をつい先ほど口にしたばかりだったのだ。早樹子のおどけた仕草に、角田さんも頬を緩めた。「それで、早樹ちゃんにすごく当たるっていう占い師を教えてもらって」「へえ、何て人?」 私は思わず身を乗り出す。それはほとんど職業病だった。当時はスピリチュアル本が全盛でたくさんの占い師が本を出していたので、よく当たる占い師ともなれば名前を聞いたことがある人かと思ったのだ。 だが、早樹子の答えは要領を得ないものだった。「名前はわからないの。ただ、神楽坂の母って呼ばれている人で……見た目はどこにでもいそうな普通のおばさんで、着ている服も怪しげなローブとかじゃなくて小花柄のチュニックで、髪型もよくおばさんがやってるパーマっていうか……ソバージュっていうのかな? そういう感じなんだけど、全然笑わなくて妙に目つきが鋭くて、何かオーラがすごいっていうか。ほら、神楽坂にロイヤルホストとか松屋とかがある四ツ辻みたいになっているところがあるでしょ。あの奥にあるマンションの四階でこぢんまりとやってるんだけど、看板は出してなくて、ホームページがあるわけでもなくて」「じゃあ、早樹子はどこで知ったの?」「私も友達から教えてもらったの。政治家とか芸能人とかもこっそり通ってるっていう話で」「知る人ぞ知るってやつだ」 私は声を弾ませた。もし、まだ本を出したことがない人であれば、自分が最初の本の執筆を依頼することもできる。「その人、今もそこで占い師やってるの?」「ううん、もうそこは閉めちゃったみたい」 早樹子の答えに、私は落胆した。インターネットで調べれば何か情報が得られるかもしれないけれど、仕事の依頼をするハードルは格段に上がる。私は、とにかく帰ったら調べてみよう、と思いながら、「早樹子も何か占ってもらったの?」と何気なく訊いた。 知りたいと思ったというよりも、何となく話の接穂として尋ねただけだったが、早樹子は一瞬視線を泳がせた。「うん、まあ」という歯切れの悪い答えに、この場ではあまり話したくないことなのかもしれない、と気づく。もしかしたら、「長すぎる春」の彼のことかもしれない、と思ったので、私もそれ以上は追及しなかった。「ごめんね、話の腰を折っちゃって。それで? 角田さんはその占い師のところに行ったんですか?」 角田さんに向き直ると、角田さんは「あ、はい」と少し慌てたように居住まいを正す。「そうなんです。その結婚を考えていた彼と一緒に、二人の将来を占ってもらいに行って」 そこで「そうしたら、『不幸になる』って断言されたんです。『結婚なんてしない方がいい』って……私、びっくりしちゃって。すぐには何も言えませんでした。実は本格的な占いをしてもらうのはそれが初めてだったんですけど、何となく占いってこっちが望んでいる言葉を口にしてくれるものだと思っていたから」「わかります」 私は短くうなずく。私自身は仕事以外で占い師に会ったことがあるわけでもなかったが、以前、ある占い師の方から「コールド・リーディング」というテクニックについて教えてもらったことがあったのだ。「コールド」とは「準備なしに」という意味で、「リーディング」とは、「読むこと」──この場合は、「相手の情報を読み取る」ことを意味する。つまり、事前情報なしに相手と会話をし、その外観や言葉尻などから相手の情報や気持ちを読み取って言い当てる話術のことだ。言い当てられた方は「どうしてそんなに私のことがわかるんだろう」と驚き、その人が超常的な力を持っているものと信じてしまうのだという。 そうして相手の情報を言い当てながら、「相手が言ってほしい言葉」を口にすれば、顧客は喜んでお金を払い、「よく当たる占い師だ」と考えてくれるのだとその占い師は言っていた。人が占いの結果を聞きたいと思うときというのは、大抵何かの迷いを抱いているときであり、その人が望んでいる答えを読み取って「それが正解だ」と口にしてあげるだけでいいのだと。 もちろん、すべての占い師がそうした手法を取っているわけではないだろう。だが、突然思いもしなかった答えを突きつけられた角田さんの驚きは想像できなくもない。「でも、それが占いの結果ならば仕方ないじゃないですか。嫌な気持ちになったし、こんなことなら聞かなきゃよかったとも思ったけど、聞いたのは自分たちです。だからとりあえずお礼を言ってお金を払って帰ろうとしたんですけど……彼が、怒り出しちゃったんです。ふざけるな、デタラメ言いやがってって大声で怒鳴って……そんなふうに声を荒らげるところなんて見たことがなかったから、すごくショックでした。占いの結果よりもよっぽどショックで……この人と結婚して大丈夫かなって不安になってきちゃったんです」 角田さんはどこか疲れた顔でそこまで言ってから、ビールを勢いよくあおった。身体の中に溜まった何かを吐き出そうとするように息を吐き、テーブルにジョッキを置く。「結局、彼はそのまま私の腕を引いてお金も払わずに出てきちゃって、その後も一日中その占い師の悪口を言っていました。それを聞いていたら、段々うんざりしてきちゃって。それまでは結婚するならこの人しかいないって思っていたのに、急に気持ちまで冷めてきちゃったというか」 角田さんは過去の記憶を消そうとでもするかのように、ジョッキの口を親指の腹で何度も拭った。「それで、半分冗談、半分本気で『別れようか』って切り出したんです。『あの占い師も、あんなふうに言ってたし』って言えば、彼のプライドを必要以上に傷つけることもないかもしれない気がして……でも逆効果でした。彼は『あんなババアの言うこと信じるのかよ』ってますます怒って、私をすごい目で 私は、生唾を飲み込む。どうリアクションすればいいのかわからなかった。もし、元彼のエピソードとして笑い話のように聞かされていたら、一緒に笑って「うわー、あり得ない」と言っていただろう。だが、私は「お祓いをしたい」というそもそもの話に引っかかっていた。「お祓い」という単語、そして「死んでやる」という言葉。まさか、と思いながらも上手く相槌を打つことができない。「次に会ったとき、手首に巻いた包帯を見せられました。『今回は失敗したけど、おまえがまた別れるとか言うなら今度は本当に死ぬよ』って……それまでは、まだ彼のことが好きな気持ちもあったんですけど、それで完全に気持ちが冷めました。それからは、もうどうやって穏便に別れるかしか考えられなくて」 角田さんが、そこでふいに声を震わせる。泣き出してしまうのか、と思ったが、泣くことはせずに唇を噛んだ。 つらかっただろう、と思う。一時は結婚を考えるほど好きだった人なのに──いや、だからこそ、ダメージは大きかったはずだ。別れるなら死ぬ、というのは脅し以外の何物でもない。彼は、彼女の意志を無視して、ただ自分の気持ちを押し通そうとした。それで、信頼関係が損なわれないわけがない。「どうすればいいのかわかりませんでした。別れたいけれど、別れたら死なれてしまうかもしれない。彼がどこまで本気で言っているのかわからなくて……どうせポーズで言っているだけで本気で死ぬ気なんてないんだって思ったり、でも何かの弾みで本当に死んでしまったらどうしようって思ったり……結局、別れ話は撤回するしかありませんでした」 あのとき、私はどうするべきだったんでしょう、と続けられ、答えることができなかった。一度別れ話を切り出したなら、どんなにつらくても撤回などせずに押し通すべきだ、というのは、ただの正論にすぎない。「それからは、会うたびに気まずい空気になりました。夜中に電話がかかってきて、『今すぐ会いたい。会ってくれなきゃ死ぬ』って言われるんです。彼は車を持っていたけれど、不安定になるのは大抵お酒を飲んだときだから私の方が呼びつけられて……私は車どころか免許も持っていないから、いつもタクシーで彼の家に行くしかありませんでした。内心うんざりしながら、一応それは隠して会うんですけど、会ったら会ったで『本当は会いたくなかったんだろ。もう俺のことが嫌いになったんだろ』って言われて……『そんなことないよ』って言っても納得してくれなくて、延々と『本当のことを言え』って言うから、『正直、明日も仕事で朝が早いから夜中に呼びつけられるのは困る』って答えたら、『おまえは俺より仕事の方が大事なんだな』って泣かれて……」「ああ、もうそれほんと無理」 早樹子が頭を掻きむしった。「やっぱり何度聞いてもやばいよ、その話。尚子はよく頑張ったよ。私だったら絶対もっと早く投げ出してたと思う」「でも、もっと早く投げ出してた方がよかったのかもしれないよね」 角田さんは、悲しげな目を早樹子に向ける。「結局こんなことになってしまうなら、最初にきっぱり突き放していた方がよかったのかもしれない。私が思いきれなくて会い続けちゃったから……」 角田さんはそれ以上は続けなかったが、私はもうその先の結果がわかっていた。おそらく、彼は死んでしまったのだろう。だからこそ、この話は過去の笑い話などではなく、「お祓い」という話に繋がってくるのだ。「ある日、夜の十二時までに来てくれなきゃ死ぬって言われたんです」 角田さんは言いよどみながら続けた。「だけど、その日はどうしても行く気になれませんでした。こんな生活がいつまで続くんだろう、彼はどうしたいんだろうって考えたら、何だかもう本当に嫌になってしまって……翌朝に大事なプレゼンがあったというのもあるんですけど、それ以上に先が見えないことに疲れ果ててしまったんです」「彼は、仕事は?」 私は、声をしぼり出すようにして尋ねる。角田さんは力なくまつ毛を伏せた。「最後の方は、かなり休みがちだったみたいです」 最後、という言葉に、私はボールペンを握った手に力を込める。みぞおちを強く押されるような圧迫感を覚えた。「彼からのメールには返信せず、そのまま携帯の電源を切りました。とにかく何かが変わってほしかった。このままの関係を続けることには耐えられなくて……これでもう、今日は眠れる、と思いました。少なくとも、今日はあの人の家には行かなくて済む。朝まで延々と責められなくていい。ゆっくり自分の部屋で眠って、明日のプレゼンに備えられる……そう思いながら、結局一睡もできなくて、それでも携帯の電源を入れる気にはなれませんでした。そのまま会社に行ってプレゼンを無事に終えて……携帯の電源を入れたのはお昼休みでした。何十件も着信が入っていることを予想して恐る恐る通知を確認したんですけど、予想外に彼からの連絡はなくて……なんだ、こんなことならもっと早く無視しておけばよかったんだって拍子抜けして、でもやっぱりすごく安心して」 そこで角田さんは言葉を止め、喉を上下させてから続けた。「その日の夜、彼の実家から彼が死んだっていう連絡が入ったんです」 目撃者の話によると、角田さんの彼は車で神楽坂を上る途中、突然何もないところでハンドルを切って神楽坂仲通りの電柱に突っ込んで亡くなったのだという。彼はこの日お酒を飲んでいなかったため、飲酒運転による事故ではなかった。警察が出した結論も、自殺だろうというものだったそうだ。「すごく落ち込んだし、自分を責めました」 角田さんは、つぶやくような声音で言った。「私があの日、ちゃんと彼の家に行っていればって……だけど、一番申し訳なかったのは、どこかで仕方なかったという思いもあったことなんです。あんな関係が一生続けられたわけがないんだからって、そう思って納得してしまおうとする自分に罪悪感がありました」「でも、本当に仕方ないことだったと思いますよ」 私は思わず言葉を挟む。本心だった。たとえその日ではなかったとしても、彼女はいつか、彼の要望に応えられなくなっていただろう。そして、それは彼女が悪いわけではない。「さっき早樹子も言っていたけど、角田さんはよく頑張ったと私も思います。つらいでしょうし、すぐに気持ちの折り合いをつけるのは無理かもしれませんけど、」「違うの」 私の言葉を遮ったのは早樹子だった。「話はまだ終わってないんだよ。ね? 尚子」 角田さんはぎこちなくうなずき、唇を小さく開く。「私、仕事で交通広告を担当しているんですけど」「交通広告?」「電車の中吊りポスターとかです。ああいうのの枠をクライアントに売って、その手配をするっていう」 何の話が始まるのかわからずとにかく相槌を打つと、角田さんは交通広告のシステムについて説明を始めた。 まず、広告代理店としては「この路線のこの場所にこのくらいの期間掲示するならいくら」という形で広告枠を販売しており、クライアントはそれを買うという構図になっている。中吊りポスターやステッカー、ドア横ポスターや車体広告など、多様な媒体があり、期間も二日間や一週間、ひと月など様々だ。 東京メトロの場合、それらの広告物は一度すべて神楽坂にある集積所に集められることになっており、そこから作業員たちがそれぞれの線の始発駅まで持っていって、一斉に貼り替えていくのだという。 大抵の場合、広告代理店は広告物の制作にも関わっており、クライアントの意向を汲み取りながら広告物をデザインする。完成したデザインデータを印刷所に入稿するまでが直接の仕事で、その後、刷り終わった広告物が無事に集積所に納品されて期日通りに掲出されたかについては、確認こそするものの、各々の段階に立ち会いはしない。 けれどある日、ドア横ポスターを契約したクライアントから、ポスターに汚れがついているというクレームが入り、集積所に行かなくてはならなくなったのだという。「ポスターの上で赤黒いインクをつけた筆を振ったみたいな小さな染みが、点々と飛んでいたんです」 一見、そうしたデザインだと思えなくもなかったが、一枚一枚見比べると染みのつき方が違う。クライアントの名前の上にかかってしまっているものもあり、クライアントが怒るのも当然だった。 剥き出しで垂れ下がるタイプの中吊りポスターなら掲示後に汚されてしまった可能性もあるが、ドア横ポスターは額の中に入れるため最初から汚れていたとしか考えられない。 角田さんは低頭平身してクライアントに謝り、大急ぎで現物を確認して印刷所でポスターを刷り直してもらった。そのままその場で中身を確認して自ら集積所に運び込んだという。「原因はわからなかったんですが、対応が速かったということでクライアントもそこで怒りを収めてくれました」 印刷所のミスかもしれないということで、刷り直しの費用も印刷所持ちで対応してもらえたそうだ。 だが、その後も同様のことが続いた。「それも、私が担当しているクライアントのものにだけ続くんです。印刷所を変えたり、納品物を集積所に運ぶ前に確認させてもらったりもしたんですけど……なぜか貼り出した後になって汚れが発見されることが続いて」「その汚れって……」 角田さんは鞄から一枚のポスターを取り出した。清涼飲料水の広告だ。若手女優が顎を反らせてペットボトルをあおっている。 私は、女優の頬にほくろのように散った染みを見つめた。たしかに一つ一つは大きなものではないが、無視してこのまま使えるほどさり気ないものでもない。「何か、嫌な感じでしょう?」 早樹子が角田さんの話を継ぐ形で続けた。「こないだ高校の同窓会があって、私もそこで尚子からこの話を聞いたんだけど、ちょっと気持ち悪いよねって話になって……しかも、ある子が嫌なことを言い出したの」「嫌なこと?」「『それ、八百屋お七なんじゃないの』って」 八百屋お七とは、江戸時代に実在した八百屋の娘で、  異常な動機だが、だからこそお話としては面白い。ホワイダニット──動機が謎のミステリでも時折出てくるモチーフで、「八百屋お七」は「愛しい人に会いたいがために罪を犯す」ことの代名詞にもなっている。「死んだ彼が、尚子に会いたい一心でポスターを汚して神楽坂に呼びつけているんじゃないかって言うの」「言われてみれば、たしかに神楽坂には東京メトロの広告物がすべて集まる集積所がありますから、広告物に何かトラブルがあれば私は神楽坂に出向くことになります」 角田さんも、顔を強張らせて言った。 角田さんと早樹子は、それが死んだ彼が起こした怪異だと信じ込んでいるようだった。だが、私は手放しにその説を受け入れることはできなかった。なぜなら、まだ人為的なものである線が否定できないからだ。 生きた人間が、何らかの目的でポスターを汚したという可能性もある──いや、その方がよほど信憑性のある説に思えた。 そもそも、私は怪奇現象というものを無条件に信じてはいない。それは、私自身が幽霊や超能力を見たことがないというのもあるが、怪奇現象を紹介する本を読み始めるのとほとんど同時に、そうしたものに対して論理的な説明をつける本も読んできたからかもしれない。 誰もいないのに物が動いたり音がしたりするというポルターガイスト現象の正体が地盤沈下や水道管の故障だったとか、コックリさんで指が動くのは参加者の潜在意識や筋肉疲労によるものだとか、そうしたタネ明かしのような話を読むのには、ミステリの解決編を読むのと同種の面白さがあった。 もちろん、どうやっても説明がつかないこともこの世の中にはあるのだろうし、私が見たことがないからといって、幽霊や超能力が存在しないと言いきることはできない。だが、それでも私は、まずは超常的な説明ではなく論理的な説明を求めてしまうたちだった。「なるほど、もちろんその彼の仕業だという可能性もあり得るとは思います」 私は、そう前置きをしてから、そろそろと主張する。「ですがたとえば、その集積所の人や作業員がやったというような可能性はありませんか」「ないと思います」 角田さんは、即座に断言した。私は気おされつつも、さらに口を開く。「別に角田さんに恨みがあるとか、嫌がらせでやったんじゃないかと言いたいわけではないんです。何かまったく別の動機があるかもしれませんし、」「いえ、そうではなく」 角田さんは私の言葉を遮った。それ以上は続けずに鞄に向き直り、小さなルーペを取り出す。一見するとカメラのレンズにも見えるようなそれがルーペだとわかったのは、私自身が日常的に使っているものだったからだ。本のカバーやポスターなどのカラー印刷では、赤、青、黄色、黒の四色の点が網目のように重なることで様々な色を表現している。ルーペはその点が潰れたりずれたりしていないかをチェックするための道具だ。 私は彼女に促されるままルーペを覗き、次の瞬間、息を呑んだ。 黒と赤を混ぜたようなインクの染みに見えた汚れには──無数の文字が書かれていたのだ。  あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ。あやまれ──  全身の肌が一斉に 人の仕業であるわけがない、と私も認めざるを得なかった。文字は印刷ではなく手書きのようで、しかも、人が書ける大きさの文字ではない。「彼は、あの日、彼からのメールを無視した私を恨んでいるんだと思います」 角田さんは、呆然と動けないでいる私からルーペを引き取って言った。「でも、謝れと言われても彼はもういません。お墓には謝りに行ったんですけど……それでも、同じことが起こるんです」 あやまれ、謝れ──俺を無視したことを謝れ。 もし、本当に彼の仕業なのだとしたら。 背筋を、冷たい汗が滑り落ちる。 ──どこにどう謝れば、彼は満足するのだろうか。 角田さんは鞄を見下ろす。思わずつられて視線を向けると、そこには榊さんの本があった。「だから、この本の著者の榊さんという方に頼んでもらいたいんです。誰か、いいお祓いの人がいたら紹介してほしいって」 私はもう、彼女の言葉を否定することができなかった。 その場でも榊さんに改めて電話をしたのだが、彼と連絡が取れたのはその三日後のことだった。 案の定、携帯を忘れて取材に出てしまっていたのだという。不審死が続くという旅館が期待外れだったことを勢いよく語り始めたところを制して用件を告げると、榊さんは『もってるねえ』と声を弾ませた。『こういう面白い話が転がり込んでくるかどうかって、運なんだよ。しゃかりきになって集めても集まらない人には集まらないし、集まる人には集まる。お手柄じゃないですか』 嬉々とした口調に、角田さんは困っているのだから喜んでいる場合じゃないですよと言いたくなったが、どこかで気持ちが少し軽くなったのも事実だった。榊さんが面白がっているのであれば、それほど怯えることもないのかもしれないと思えたのだ。 私は早速、角田さんから預かったポスターを手に榊さんの事務所を訪れた。「ほほう、これはこれは」 榊さんは、絵画を鑑定する画廊主のように「すごいね、これ。久々の当たりかもよ」 現物を見てもまったくたじろがない榊さんに、私は頼もしさを感じた。彼に任せれば、何とかなるかもしれない。「それで、もしいいお祓いの人をご存じでしたらご紹介いただけないかと思って」「まあ、こういう商売だからね、それなりに何人かアテはあるけど」 榊さんはあっさりとうなずき、紙や本が山積みになった机の上から名刺ホルダーを探し当てた。ちらりと目を向けると、名刺は飛び飛びに差し込まれているだけであとは名前や電話番号、住所が書かれた付箋が貼られている。「何にしても、まずは概要を教えてよ」 榊さんはページをめくりながら言った。「内容によっては頼む人も変わってくるかもだし」「そういうものなんですか?」「人によって得意分野とかあるからね」「得意分野……」 私には想像もつかない世界だ。 私は三日の間にまとめておいたメモを開くと、順番に経緯を話していった。ひと通りの説明を終えて顔を上げ、そこでようやく榊さんの眉間に皺が寄っていることに気づく。「……榊さん? どうしたんですか?」 いや、と榊さんは名刺ホルダーを見つめたまま口を開いた。だが続きを待っても、そのまま何も言わない。「どこか気になるところがありました?」 それでも榊さんは答えず、数秒して唐突に名刺ホルダーを閉じた。 榊さんが、顔を上げる。「これから言う話は、あくまでも単なる思いつきです。当たっている保証などどこにもありません」 急にかしこまった口調になって言った。「……何か、わかったんですか?」「まず気になったのは、その男が車で神楽坂を『上っていた』ということです」 榊さんが、私を見た。目が合ってから、私はそれが珍しいことであるのに気づく。榊さんは軽快な語り口に反して、人と目を合わせないタイプだった。「神楽坂は、午前零時から正午までは坂を下る東方向に、正午から午前零時までは坂を上がる西方向にしか走れない。つまり、その男が車で神楽坂を 言われてみれば、以前タクシーの運転手からそんな話を聞いたことがあった気がする。だが、私は車も運転免許も持っていないこともあり、あまり意識したことはなかった。 そう言えば、角田さんも運転免許を持っていないと言っていた。だから彼女も、気づかなかったのかもしれない。「それって……」 榊さんは、小さく顎を引く。「だとすれば、その男は角田さんが約束の時間までに来なかったから自殺した、というわけじゃなかったことになる」 私は、大きく目を見開いた。心の中に安堵が広がりかけ、ふいに止まる。 ──だが、だったらなぜ男は急にハンドルを切ったりしたのか。「じゃあ、どうして男は死んだのか」 榊さんは、まるで私の気持ちを読んだかのようなタイミングで言葉を継いだ。「次に気になったのは、その男が突っ込んだのが神楽坂仲通りの電柱──つまり、占い師のいる四ツ辻だったということです」「占い師?」 私は、思わぬ言葉に目をしばたたかせた。「それって、角田さんが恋人と一緒に行ったっていう?」 榊さんはとても小さな動きでうなずく。「もしかしたら、その人は俺が知っている人かもしれない」「え?」「神楽坂の母、見た目はどこにでもいそうな普通のおばさん、着ているのは小花柄のチュニック、髪型はソバージュ、全然笑わなくて妙に目つきが鋭い、神楽坂のマンションで占いをやっているが看板やホームページはない──俺も、噂に聞いたことがあるだけで、実際に会ったことはないんだが……もし、それが俺の知っている人のことだとしたら」 榊さんは唇を湿らせ、迷うように数瞬視線を動かしてから続けた。「あの人は、ヤバい」 ヤバい、という「ヤバいって……」「その男は、あの人を怒らせたのかもしれない。それで、その日──その四ツ辻で何かを見た」 榊さんは、低くつぶやいた。 ぞっと、悪寒が這い上がってくる。 もし、榊さんの言うことが本当だとしたら。 男の死は、自殺ですらなかったのかもしれない。男はその何かから逃れようとハンドルを切り──そして、死んだ。 私はそこまで考え、ハッと息を呑む。 もしそうであれば、「あやまれ」の意味も変わってくるのではないか。 ── 早く、謝って、君だけでも助かってくれ。 神楽坂に呼びつけていたのが、それを促すためだったのだとしたら。 あれが、男の怒りではなく、祈りだったのだとしたら。「まったくの見当違いの可能性ももちろんあります。でも、もしかしたら、お祓いよりもまずあの人に謝りに行った方がいいのかもしれない」 私は榊さんにお礼を言って立ち上がり、その場で角田さんに電話をかけた。まだ仕事中の時間ではあったが、伝えるのであれば早い方がいい。 だが、携帯にかけても繋がらず、会社にかけてもその日角田さんは休みを取っているということでつかまらなかった。私は榊さんの事務所を辞し、携帯で長いメールを打った。打ち終わった文面を読み返し、語尾や表現を少し直し、送信する前にもう一度だけ電話をしてみようと画面を切り替えたところで──携帯が鳴る。 それは、角田さんが前日の夜中、突然悲鳴を上げて車道へ走り出し、車にはねられて亡くなったという早樹子からの連絡だった。 早樹子に榊さんの言葉を伝えるかどうか迷ったものの、結局伝えないことにしたのは、あの占い師のことを角田さんに教えたのが早樹子だったからだ。元凶がそれだったかもしれないとなれば、責任を感じてしまいかねない。 一点気にかかっていたのは早樹子自身もあの占い師に会ったことがあるらしいということだったが、早樹子の場合は、例の「長すぎる春」の彼とこのまま付き合っていていいのかと尋ねて『このままで大丈夫だから絶対に別れたらいけない』と答えられたため、特に揉めるようなこともなかったという。 恋愛成就を それなら彼女は大丈夫だろう、という榊さんの言葉に、私はその場でしゃがみ込みそうなほど安堵した。なぜなら、榊さんに調べてもらったにもかかわらず、あの占い師が今どこにいるのかという情報はまったくつかめなかったからだ。謝ろうにも謝る方法がない状況で、もし早樹子も危険だということだけがわかってしまっていたらと思うとゾッとする。 その後も、早樹子から怪異に見舞われているという話をされることはなく、約二年が過ぎた。 その頃には私が郊外に引っ越していたこともあり、何となく仕事帰りに飲みに行く機会もなくなっていたが、それでも数カ月に一度くらいのペースでは会っており、彼女が仕事を辞めてイギリスへ留学することにしたという話も直接会って聞いていた。 新生活への期待を口にし、彼とはこれを機に別れることにしたけれど、彼は彼で新しい趣味に没頭し始めたところだったからか拍子抜けなほどあっさり了承してくれたと苦笑する早樹子は、本当に憂いなく見えた。 けれど、その半月後。 早樹子は日本を発つほんの数日前に、交通事故で亡くなった。そして、彼女のお通夜で耳にしたのは、早樹子が突然何かを叫びながら車道へ飛び出したらしい、という話だった。 どうして、と思わずにはいられなかった。どうして、早樹子まで── 偶然にしては、共通点がありすぎる気がした。角田さんの元恋人も、角田さんも、早樹子も、みんな交通事故で亡くなっているということ、事故の直前、急にハンドルを切ったり叫んだりしていたらしいということ。 だが、少なくとも早樹子はあの占い師を怒らせてはいなかったはずだ。 あの占い師を怒らせてしまったせいだという仮説が間違っていたのだろうか。しかし、もしそうだったとしたら、本当の原因とは何だったのか。 それは、早樹子の死から六年経った今もわかっていない。あの占い師が、今どこで何をやっているのかも、わからないままだ。 ただ、一つわかることは、私はあのとき判断を間違えたのだということだった。私は、早樹子に榊さんの言葉を伝えるべきだった。たとえ、それで早樹子が角田さんの死に責任を感じることになってしまったとしても、きちんとすべて話をして、その上で占い師とのやり取りについて改めて尋ねるべきだったのだ。 そうしていれば、本当の原因がわかっていたかもしれない。──早樹子は、死なずに済んだのかもしれない。 * 私はここまで書いて、なぜ自分がずっとこのことと向き合わずにきたのかがわかった気がした。 私は、既にあの頃から、この可能性に気づいていたのだろう。だからこそ、考えたくなかったのだ。 早樹子は最期の瞬間、何を見たのか。そのときに感じた恐怖は、どれほどのものだったのか。 考えれば考えるほどに、自分が保てなくなっていくことがわかっていた。知ろうとすれば、きっと、その途方のなさに飲み込まれてしまう。 それは、日頃「死」というものについて突き詰めて考えないようにしているのと似た感覚だった。考え始めると、まずい、とほとんど本能的に思う。これ以上進んだら、もう戻れなくなってしまうかもしれない。 知りたくない、という気持ちと、知らなければならない、という思いが、今も私の中でせめぎ合っている。 この機会を逃せば、おそらく私は再び考えまいとし始めるだろう。日々の忙しさにかまけて、見ないふり、気づかないふりをし続けるはずだ。 だからこそ、私はここで、この話を書くことにした。 これを読んだ方の中で、「同じような話を聞いたことがある」「この人物を知っている」など、何か思い当たることがあれば、「小説新潮」編集部宛にご一報いただけたら幸いである。 今年の夏は例年以上に過酷な暑さです。暑くて仕方がない……そんな時には「体感温度が5℃下がる」、「背筋のゾクゾクが止まらない」とSNSで大評判となり、発売即重版の怪談ミステリはいかがでしょうか。

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